1899年、パリの裕福な産業家の家庭に生まれたフランシス・プーランクは、 反対を押し切ってピアニストとなり、後に作曲家となった。幼い頃からピアノを習っていたが、正式な音楽教育を受けたのは後年になってからであった。 

アラゴン、アポリネール、エリュアールといった当時の有名な詩人や音楽家たち、そしてもちろん同じ作曲家であるモーリス・ラヴェルとの出会いを経て、彼は18歳で作曲を始めた。1918年以降、彼は徴兵され、その間にいくつかの作品を作曲した。戦後、特にイギリスでの名声は高まったが、彼の作品が目覚ましい成功を収めるにつれ、学問的な訓練を受けていないことを痛感し、しばらくは作曲のレッスンを受けていた。私生活では自分のセクシャリティに悩み、友人の女性にプロポーズしたが断られるなど、決して幸せなものではなかった。  

1930年代、精神的な不幸が続いた後、彼の音楽はよりシリアスになり、ポール・エリュアールのシュールレアリスティックな詩を多く取り入れた。第二次世界大戦に短期間従軍し、戦争後期は友人や家族と南フランスで過ごした。 

1950年代にはスカラ座からオペラの作曲を依頼され、亡くなるまで作曲に取り組んだ。1963年に致命的な心臓発作を起こし、パリの自宅で死去した。彼の最も有名な作品は、ピアノ組曲『3つの無窮動』（1919年）、バレエ音楽『牝鹿』（1923年）、チェンバロとオーケストラのための『田園のコンセール』（1928年）、『オルガン協奏曲』（1938年）、オペラ『カルメル会修道女の対話』（1957年）、『グローリア』（1959年）である。  

写真提供：フランシス・プーランク