ジャン・シベリウスは後期ロマン派のフィンランドの作曲家で、1865年にフィンランド南部の町ハメーンリンナに生まれた。母国フィンランドで最も有名で影響力のある作曲家とされ、ロシアからの独立後、フィンランドが文化の構築に奮闘する中、シベリウスがフィンランド文化の創造に直接関わったと指摘する声も多い。彼の作品の中心は7曲の交響曲で、現在世界中で演奏されている。最も有名な作品は、『フィンランディア』、『カレリア組曲』、『悲しきワルツ』、『ヴァイオリン協奏曲』である。  

シベリウスは20代半ばまで多作な作曲家であったが、その後30年間は作曲活動を休止した。多くの人々はなぜ彼が音楽の作曲をやめたのかを説明できないでいる。シベリウスの沈黙の時代は、シベリウスの自宅があった場所にちなんで、一般に「ヤルヴェンパーの沈黙」と呼ばれている。それでもシベリウスは作曲活動を続け、フリーメーソンのための音楽を書いたり、以前の曲を再制作したりしたが、新しい曲を書くことには関心を示さなかった。  

シベリウスは自然を愛し、若い頃は法律を学んでいたが、音楽への情熱が勝り専念するようになった。さらに、1892年に将軍とバルト貴族の娘アイノ・ヤルネフェルトと結婚。二人は非常に享楽的な生活を送り、その結果、健康に悪影響を及ぼした。アイノは療養所で過ごし、ジャン・シベリウスの健康状態は徐々に悪化していった。1957年、シベリウスは脳出血のため91歳で亡くなった。 

シベリウスの楽譜は最近、ユネスコの世界記憶遺産に登録された。彼はしばしば「ロマン派の伝統を受け継ぐ国民楽派の作曲家」と称されている。 

写真提供：Jean Sibelius © Getty