フランソワ・ルルーは、19歳の時に、現在ピーボディ音楽学院の教師であるフランソワ・ルーの下で声楽を学び始めた。その後、彼はパリのオペラ・スタジオで、ヴェラ・ロージャ及びエリーザベト・グリュンマーの下で学び続けた。

彼は1980年から1985年までリヨン国立オペラのメンバーであり、それ以来、ヨーロッパのすべての主要なオペラハウスや音楽祭、及びサンタフェ・オペラ（NM）、ロサンゼルス・オペラ、ニューオリンズ・オペラ、ブエノスアイレスのコロン会場（アルゼンチン）などの著名なアメリカのオペラ会場にゲストとして出演している。彼のオペラのレパートリーは、モンテヴェルディからデヴィッド・ラングまで莫大である。ドビュッシーの唯一のオペラは、最初はペレアスとして、次にゴローとして、彼の「carte de visite（名刺写真）」になっていた。アメリカの批評家によって「ミスター・メロディー」と名付けられたフランソワ・ルルーは、グレアム・ジョンソン、ロジェ・ヴィニョールズ、クリスティアン・イヴァルディ、オリヴィエ・ゴダン、ジェフ・コーエンなどの著名人を伴った数々のリサイタルを行った。彼は、フランスの歌曲と世界中のリサイタルレパートリーに特化したマスタークラスを行っている。その開催場所には、オーフォード及びラシーヌのアカデミー（ケベック、カナダ）、バンクーバー（カナダのブリティッシュコロンビア州）、ミネアポリスのソング・ソース・フェシティバル（米国）、ヘルシンキのシベリウス音楽院（フィンランド）、京都フランス歌曲協会（日本）、北京の中央音楽学院（中国）、フランス歌曲協会（韓国、ソウル）、そしてサン＝ジャン＝ド＝リュズのラヴェル国際音楽アカデミーがある。

彼は、アカデミー・フランセーズ・プーランク・ツアーズの芸術監督及び創始者であり、1997年以来毎年、学生にフランス歌曲の解釈を学ぶ機会を与えている。さらにルルーは、1997年から2002年まで、パリのフランス国立図書館の「フランス歌曲コンサートシーズン」を計画し催した。

ルルーは、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、プーランク、サン＝サーンス、グノー、レイナルド・アーンによる数多くの作品を、多数の有名なレーベルに録音している。アンリ・デュティユーの『作品集』（Passavant Music）の彼の録音CDは、2016年にAcadémie du disque lyriqueの「Orphée d’or Michel Garcin」を受賞した。さらに、彼は同様のレーベルから、アンドレ・ジョリヴェ作品の録音CDをリリースした。音楽の録音に加えて、ルルーは、フランスの芸術歌曲の解釈についての本『Le Chant intime（フランス歌曲の珠玉 深い理解と演奏のために）』を共著者のロマン・レイナルディと執筆し、2004年8月にFayardより出版した。それは日本語に翻訳され、春秋社（東京）より出版された。最近では、彼の2作目の本『L’opéra français-une question de style-De l’interprétation lyrique』が、Hermannより2019年に出版された。

彼は1996年に、フランスの芸術文化勲章「シュバリエ」を受賞しており、フランス批評家連合によって「ミュージカル・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤー、1997」に選ばれた。彼はパリ国立高等音楽院（CNSMDP）で声楽の教授を務め、現在はパリのエコールノルマル音楽院で教えており、そこでフランスの声楽芸術認定書を作成している。