1810年にポーランドで生まれたフレデリック・ショパンは、才能あるピアニストであり、高く評価された作曲家でもあった。彼は神童で、6歳という幼い頃からポーランドのブルジョワ階級の大ホールで演奏を始めた。作曲を始めたのもこの頃である。1810年から1830年の間に、彼はピアノ独奏のために30曲書いた。ショパンの作品は、美しいメロディー、洗練されたハーモニー、そして形式的なデザインに対する独創的なアプローチで構成されている。ピアノがロマン派楽器の最高峰であるとすれば、それはショパンの貢献によるところが大きい。

同時代のフランツ・リスト（ロマン派を代表する、最も外向的で情熱的な、あるいは自己顕示欲的な側面を持つ）のオーケストラ的なピアニズムとは対照的に、このポーランド人の作曲家は、繊細な抒情性という本質的に詩的なスタイルを探求した。2人の作曲家は後に友人となり、互いの作品を賞賛し合うようになる。ショパンの初期の作品は、いくつかの点で、フンメル、ウェーバー、モシェレス、カルクブレンナーなどの作曲家に関連する「華麗なスタイル」のピアニズムから影響を受けたものだと言われている。その後、ワルシャワ時代に作曲された作品は、形式、手順、題材などを根本的に練り直したもので、ウィーン古典派の作曲家やバッハの影響を物語っている。人気のあるポーランド音楽の影響も、彼の作品には欠かせないものとなっている。