チェロ奏者のヤン・スンウォンは、ソロ奏者及び室内楽奏者として世界中で演奏している。彼は、ニューヨークのリンカーン・センターにあるアリス・タリー・ホール、パリのサル・プレイエル及びシャンゼリゼ劇場、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ワシントンD.C.のケネディ・センターにあるテラス劇場、ウィーンのウィーン楽友協会、東京オペラシティ コンサートホール、大阪のザ・シンフォニーホール、北京の中国国家大劇院などの名高い会場でソロ及び室内楽のコンサートを行なっている。彼のリサイタルは、ロンドン、ローマ、フランクフルト、マドリード、プラハ、ヘルシンキ、ボストン、シアトル、テルアビブ、上海、シドニーなどの他の主要都市でも行われている。
EMI-Koreaからリリースされた彼のアルバムは、コダーイの作品に完全に捧げられ、英国のグラモフォン誌の「エディターズ・チョイス・オブ・ザ・マンス」及び「クリティクス・チョイス・オブ・ザ・イヤー」(2003年12月)を受賞し、オランダのエジソン賞でベスト・ソロアルバムにノミネートされた。彼がEMIに行なった他の録音には、ラフマニノフ及びショパンの作品、J.S.バッハの『無伴奏チェロ組曲』、及びベートーヴェンの『チェロとピアノのためのソナタ全集、変奏曲集』がある。これらの録音はすべて、音楽愛好家や批評家から大きな反響を受けており、成功を収めている。2009年以来ユニバーサル・ミュージック/デッカに録音しており、彼の最近の録音には、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮者はズデニェク・マーツァル)と共演したドヴォルザークの『チェロ協奏曲』及び『トリオ・ドゥムキー』(2010年)、アンサンブルのレ・ボン・ベックと共演したジャズ、ラテン音楽、ヴァリエテ・フランセーズを組み合わせたアルバム「Musical get away」(2011年)、彼がヴァイオリン奏者のオリヴィエ・シャルリエとピアニストのマニュエル・シュトロッセと結成したトリオ・オウォンで演奏したベートーヴェンの『大公トリオ』及び『ピアノ三重奏曲第6番』(2013年)が含まれる。
より最近の彼の録音には、エンリコ・パーチェと共演したブラームスとシューマンの『チェロとピアノのための作品全集』(2014年)、ベートーヴェンの『三重奏曲全集』(トリオ・オウォン、2015年)、ユニバーサル・ミュージック/デッカに録音したバッハの『無伴奏チェロ組曲』(2017年)、エンリコ・パーチェと共演したF. リストの『チェロとピアノのための作品全集』及びショパンの『ソナタ』(2018年)が含まれる。彼の今後の録音には、巨匠ハンス・グラーフの指揮の下でロンドン交響楽団と共演した、エルガーとシューマンの『チェロ協奏曲』をフィーチャーしたもの、及びベートーヴェンの『チェロとピアノのための作品全集』がある。
ヤン・スンウォンは、クリストフ・エッシェンバッハ、チョン・ミュンフン、ペーテル・エトヴェシュ、ヨハネス・カリツケ、ローラン・プティジラール、パスカル・ドヴォワヨンなどの偉大な音楽家とコラボレーションを行なっている。フランス交響楽団と共演した、サン=サーンスの『チェロ協奏曲』、ブラームスの『二重協奏曲』、及びチャイコフスキーの『ロココの主題による変奏曲』の彼の演奏は、ユーロヴィジョンを通じてヨーロッパ中に放送された。加えて、フランス・ムジーク(フランス)、NHK(日本)、KBS(韓国)などのラジオ局は、彼のライブコンサートの多くを放送している。現代音楽の定期的な演奏者であるヤン・スンウォンは、ペーテル・エトヴェシュの『コンチェルト・グロッソ』を、アジアではソウル市立交響楽団と、オーストリアではウィーン放送交響楽団と初演した。
韓国に生まれたヤン・スンウォンは、パリ国立高等音楽院を卒業し、米国のインディアナ大学でヤーノシュ・シュタルケルのアシスタントを務めた。彼は、カナダのバンフ国際弦楽四重奏コンクール、フランスのアンドレ・ナヴァラ国際チェロコンクール、日本のカサド国際チェロコンクール、韓国のトンヨン国際コンクールなどの国際コンクールに、定期的に審査員として招待されている。フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受賞し、彼は現在、ソウルの延世大学でチェロの教授、英国ロイヤルアカデミーで客員教授、そしてフランスのボーヌ・ベートーヴェン・フェスティバルで芸術監督を務めている。
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