ウジェーヌ・イザイは、ベルギーの天才ヴァイオリニスト、作曲家であり、1858年にリエージュで生まれた。家族全員が音楽好きで、幼い頃から父親についてヴァイオリンを習い始めた。彼は母国で音楽を学んだ後、学業の道を志しパリに移り住んだ。  
 
イザイは名門オーケストラのソロ・アーティストとして精力的にツアーをこなす一方、教職に就き、長年に渡って教鞭を執った。多くの著名な作曲家が、主要作品のいくつかを彼に捧げている。1886年に同じベルギー人のルイーズ・ブルドーと結婚し、5人の子供をもうけた。1924年にルイーズが亡くなると、彼は44歳年下のヴァイオリニスト、ジャネット・ダンサンと再婚。彼女はイザイが1931年にベルギーのフォレにある自宅で亡くなるまで、体調が悪化した彼の看病を続けた。　 
 
彼は素晴らしい作品集を残している。6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタOp.27、無伴奏チェロ・ソナタOp.28、2つのヴァイオリンのためのソナタ、様々な楽器（1～2本のヴァイオリン、ヴァイオリンとチェロ、弦楽四重奏）と管弦楽のための8曲から成る『詩曲』（悲劇的詩曲、恍惚、冬の歌、ノクターンの詩など）、ベースなしの弦楽オーケストラのための小品（亡命の詩など）、2曲のピアノ三重奏曲、弦楽五重奏曲、オペラ『坑夫ピエール』などである。ベルギー王立図書館に所蔵されているウジェーヌ・イザイ・コレクションには、多くの楽譜、手紙、写真、フィルム、録音が含まれている。